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YKギャラリー YKギャラリーにおいて作者山口佳延による京都・大和路等のスケッチが展示されています。但し不定期。 |
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山上の尾根筋、リニアーに延びた石畳の参道には家々が軒を連ね、蔵王堂の仁王門に至る。近鉄吉野駅から歩き初めてこの空間に接した。 そそり立つ仁王門の巨大さには畏敬の念を憶えた程だ。金峯山寺蔵王堂の空間構成を知らない儘歩いていたためか、余りの意外性に思わずスケッチブックに筆を走らせていた。 一方の坂道が喜蔵院、東南院、竹林院に至る三差路に構えるー静亭ーの若女将は、店を閉めたにもかかわらず快くガラス戸を開けてくれた。 左のスケッチは、吉野山枳殻屋であまご寿司をにぎるのを待っている間、店内の片隅に置かれた火鉢に活けてあった草花、さりげない風情につい筆が進んで・・・ |
古都ー光と影・関連サイト |
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読後感想 | |||
山口佳延写生風景 | |||
絵と文 建築家・山口佳延 |
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1 吉野金峯山寺蔵王堂から大台ヶ原1 |
吉野の桜花を描いた水墨画、墨の裏に華やかな色が隠され、匂い立つ桜花が見える。無の空間から有の色合が見える。墨の濃淡で全ての空間を表現する。それも最小限の線であればあるほど、有の空間が瑞々しい新鮮さで甦って来る・・・・ |
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2 吉野金峯山寺蔵王堂から大台ヶ原へ2 |
家々と坂道との境に植えられた草花は、水分を含み瑞々しい色合を表していた。それは長い年月、風雨に晒され味わい深く、薄茶色になった板壁と好く響き合っている。 明るく開けた青空が天空一杯に拡がり、家々の瓦屋根が穏やかなスカイラインを描いている。この家並が何処まで・・・・ |
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3 吉野金峯山寺蔵王堂から大台ヶ原へ3 |
登山靴の紐を弛め板張の広い廊下を進んだ。大きく開けた食堂の向いに、幅広の下がる階段と上がる狭い階段があった。 大台山の家では、食堂のある玄関レベルから半階分上がって上階の各寝室があり、半階分下がって下階がある。所謂スキップフロアー形式の平面計画である。 |
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4 吉野金峯山寺蔵王堂から大台ヶ原へ4 |
巨岩から数本の細い枝が、石楠花の幹に寄添うように登山路に差掛かっている。水平に張出した枝には、青々とした若葉が群れ、ハイカーを迎える喜びを愉しんでいるかのように、朱色に染まった花弁が 若葉の中に点々と浮立っていた。重力に逆らって幹が水平に張出していることは、空間に緊張感を醸し出す ・・・ |
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5 吉野金峯山寺蔵王堂から大台ヶ原へ5 |
吊橋の中央で振返った。昨日と同じ光景が朝靄の中に浮んでいた。昨日の方が内部から橙色の灯が洩れ印象的な眺めだった。 それでも桃の木山の家に対しスケッチブックを構えた。デッサンが終わりかけた頃、ツアー登山のひとり竹中が小屋の方から、吊橋を此方に向ってきた・・・ |
京都・大和路インデックス | ||
大和ー光と影1 一 西の京一―薬師寺・唐招提寺・垂仁天皇陵 二 当尾の里―浄瑠璃寺・岩船寺 三 斑鳩の里一―慈光院・法起寺・法輪寺・法隆寺 四 桜井から飛鳥へ―安倍文殊院・飛鳥寺・岡寺 五 斑鳩の里二―法隆寺 六 今井町から当麻寺へ 七 西の京二―西大寺・秋篠寺から東大寺へ 八 聖林寺から談山神社へ 九 山辺の道―大神神社・桧原神社・玄賓庵 十 室生寺 十一 長谷寺 十二 興福寺・奈良町 十三 |
大和ー光と影2 一 吉野・金峯山寺蔵王堂 二 飛鳥一―飛鳥より八釣部落へ 三 甘樫丘 四 山辺の道二―崇神天皇陵・長岳寺・三昧田 五 五条―旧紀州街道 六 東大寺から浮見堂へ 七 壷坂寺八 八 二上山から当麻寺へ 九 山辺の道三ー長柄から天理へ 十 大和郡山城 十一 生駒聖天・宝山寺 十二 滝坂の道から柳生の里へ 十三 信貴山朝護孫子寺 |
大和ー光と影3 一吉野金峯山寺蔵王堂から大台ヶ原1 二吉野金峯山寺蔵王堂から大台ヶ原2 三吉野金峯山寺蔵王堂から大台ヶ原3 四吉野金峯山寺蔵王堂から大台ヶ原4 五吉野金峯山寺蔵王堂から大台ヶ原5 六 七 八 九 十 十一 十二 十三 |
京都ー光と影1 一 等持院から金閣寺へ 二 銀閣寺から法然院へ 三 醍醐寺 四 上賀茂神社・社家 五 法然院から永観堂へ 六 今日庵から相国寺・下鴨神社へ 七 黄檗山萬福寺から興聖寺へ 八 大徳寺 九 高雄・神護寺から清滝へ 十 栂尾・高山寺から北山杉の里へ 十一 鞍馬寺から貴船神社へ 十二 |
京都ー光と影2 一 比叡山・延暦寺 二 曼殊院から詩仙堂へ 三 泉湧寺から東福寺へ 四 大原の里 五 西山の寺 六 祇園から八坂塔・清水寺へ 七 六角堂から楽美術館へ 八 赤山禅院から修学院離宮へ 九 円通寺から岩倉へ 十 伏見稲荷大社 十一 宇治・平等院 十二 桂離宮 |
京都ー光と影3 一 嵯峨野ー渡月橋から大悲閣千光寺へ 二 嵯峨野ー天龍寺から常寂光寺・落柿舎へ 三 嵯峨野ー常寂光寺・落柿舎から二尊院へ 四 嵯峨野ー二尊院から祇王寺へ 五 嵯峨野ー仇野念仏寺から鳥居本平野屋・愛宕念仏寺へ 六 嵯峨野ー北嵯峨・直指庵から大覚寺へ1 七 嵯峨野ー北嵯峨・直指庵から大覚寺へ2 八 嵯峨野ー北嵯峨・直指庵から大覚寺へ3 九 十 十一 十二 |
桜花の季節にはまだ早く、 「吉野蔵王堂には人影は少なく、仁王門に至る参道に軒を並べた店にはガラス戸が冷たく光っていた」 と 柴崎氏はメールを送ってきた。 それでも黒門、銅鳥居と続いた参道正面に仁王門が現れた時には、氏は茫然と佇立したらしい・・・ 大和路ー光と影2につづく |
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